【ベルリン(ドイツ)15日=村上幸将】第64回ベルリン映画祭でコンペティション部門に出品された、山田洋次監督(82)の新作「小さいおうち」に出演した女優黒木華(23)が女優賞「銀熊賞」を獲得した。

 同賞の受賞は、10年の寺島しのぶ以来4年ぶり4人目。23歳での受賞は、63年の左幸子さん(33歳)、75年の田中絹代さん(66歳)寺島しのぶ(37歳)を大きく下回る最年少受賞となった。

 黒木は涙ぐみながら登壇すると「まさかこの場にいられると思わなかった。もう少しドイツ語を勉強しておけば良かった。すばらしい映画を作ってくださった山田監督のおかげ。感謝しています」とあいさつ。山田監督も両手を大きくたたき拍手した。

 この日、黒木は前日14日(日本時間15日)の公式上映とレッドカーペット時に着た黒地に花柄の着物から一転、緑地に花柄の着物を着て登場。授賞式後の公式会見では、そのあでやかな日本の美を写そうと世界各国のカメラマンが黒木のもとに殺到。フラッシュの嵐を浴びた黒木は“ハルコール”に笑顔で応え、銀熊賞の銀のトロフィーを控えめに掲げた。そして南アフリカの記者からの質問に「すごく、うれしいです」と笑みを浮かべた。