NHKの籾井勝人会長(71)が13日、同局「とっておきサンデー」(日曜午前11時)に出演し、1月25日の会長就任会見での発言問題について頭を下げて謝罪した。

 番組の冒頭、籾井会長は「会見は私には不慣れだったため、複数の議論のあることについて、NHK会長の立場と個人の立場を整理しきれないまま発言してしまった」と釈明した。公式の場で個人的な見解を述べたことは「不適当、不適切で発言を取り消した」と説明。さらに国会で公共放送のトップとしての資質について多くの質問を受け、視聴者に心配をかけたとして「こうした事態を招いたことを深く反省し、おわび申し上げます」と約6秒頭を下げた。

 就任会見では、領土問題や従軍慰安婦問題など政治的中立性を疑われかねない個人的見解を述べていた。籾井会長は「会長の個人的意見が放送に入り込む余地はありません。私の個人的見解を放送に反映させることは断じてありません。何人からの圧力や働き掛けにも左右されることなく放送の自主自立を貫く」と繰り返した。批判を「真摯(しんし)に受け止め、自らを見つめ直し、全身全霊で職責を果たす」とした。

 会長の一連の発言問題についての謝罪部分の放送は3分30秒ほど。その後は、本年度のNHK予算と事業計画についての説明が11分ほど続いたが、籾井会長は最後に再び「今回の件では視聴者の皆さまにご心配をおかけしましたことをあらためておわびします」と頭を約6秒下げて謝罪した。

 籾井会長は、3日の定例会長会見で「僕は生放送には耐えられないでしょう」と、発言の危うさを自虐的に語り、番組は収録して放送していた。