第87回アカデミー賞が22日(日本時間23日)に発表される。今年は7作品が5部門以上にノミネートされる大激戦。近年は大作よりも内容重視のインディペンデント系作品が受賞する傾向が強まっているが、混戦模様の今年のオスカーを制するのはどの作品、監督、俳優か。そして、気になる日本の作品の受賞はあるのか。米ロサンゼルス在住でハリウッド取材経験豊富な千歳香奈子通信員が大胆に予想した。

 司会はテレビの人気ドラマ「ママと恋に落ちるまで」などで知られる俳優のニール・パトリック・ハリスが務める。アカデミー賞ってどんな賞?基本編作品賞前代未聞の演出「6才のボクが――」大本命

 映画界最高峰と言われる作品賞は、前哨戦でほぼ独走状態だった6才の少年とその家族の12年間を追った「6才のボクが、大人になるまで」が本命。少年を含む主要キャスト全員が同じ役を12年間演じる前代未聞の演出が大絶賛された。最多タイの9部門にノミネートされた「バードマン

 あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」も、全米製作組合(PGA)賞で作品賞を制し、最後まで予断を許さぬ戦いに。実力派俳優たちの演技と全編がワンカットで撮影したようなカメラワークの素晴らしさで逆転なるか?

 作品賞候補◎6才のボクが、大人になるまで。△バードマン

 あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 アメリカン・スナイパー

 グランド・ブダペスト・ホテル

 イミテーション・ゲーム

 エニグマと天才数学者の秘密

 セルマ

 博士と彼女のセオリー

 セッションアメリカン・スナイパー

 空前の大ヒット監督賞イニャリトゥ監督のブラックコメディの初受賞は

 監督賞は「6才のボクが――」のリチャード・リンクレイター監督が最有力候補。12年間にも及んだ撮影を一本の作品にまとめあげた手腕は多いに評価されている。一方、全米監督組合(DGA)賞を受賞した「バードマン――」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督がダークホース。シリアスな人間ドラマを描いて高い評価を得てきたイニャリトゥ監督が初めて挑んだブラックコメディで、初受賞なるか?

 監督賞候補作品◎リチャード・リンクレイター6才のボクが、大人になるまで。△アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥバードマン

 あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 ベネット・ミラーフォックスキャッチャー

 ウェス・アンダーソングランド・ブダペスト・ホテル

 モルテン・ティルドゥムイミテーション・ゲーム

 エニグマと天才数学者の秘密トリビアでアカデミー賞をより楽しく主演男優賞ホーキング博士になりきったレッドメインか怪演キートンか

 主演男優賞部門は、今年最大の大混戦を繰り広げている。「バードマン――」で、かつて一世を風靡した元スター俳優が再起をかけて舞台に臨む役をまるで自分自身の役者人生を彷彿させるように怪演したマイケル・キートンと「博士と彼女のセオリー」で難病ALSと闘い続けた天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士になりきった演技が絶賛されたエディ・レッドメインの一騎打ち。「アメリカン・スナイパー」で実在する最強スナイパーを演じたブラッドリー・クーパーが、どこまで2人に迫れるかが注目。

 主演男優賞候補作品◎マイケル・キートンバードマン

 あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)◎エディ・レッドメイン博士と彼女のセオリー

 ブラッドリー・クーパーアメリカン・スナイパー

 スティーブ・カレルフォックスキャッチャー

 ベネディクト・カンバーバッチイミテーション・ゲーム

 エニグマと天才数学者の秘密