昭和歌謡史を彩った歌姫美空ひばりさん(享年52)の幻の音源がこのほど発見され、5年ぶりの新曲として発売される。親交の深かった女優中村メイコ(74)が作詞し、夫の作曲家神津善行氏(76)がメロディーを付けた「逢うは別れの」で、68年に録音をしたものの、発売されなかった。未発売の理由について、長男の加藤和也氏(37)は「当時は、2年前に発売した『悲しい酒』がヒット中。この曲も情感のこもった悲しい別れ歌なので、別れ歌の名曲は1曲でよいという判断だったのでは」と推測する。60~70年代には、酔ったメイコが「こんなのどう?」とコースターの裏に詞を書き、「これはいい」とひばりさんが神津氏に作曲を頼む光景が何度もみられた。メイコ&神津コンビの作品は、64年の「髪」から76年の「紅手紙」まで10作あり今回が11作目。

 録音から40年の長い歳月を経て、日の目を見ることになった新曲に、加藤氏は「おふくろが亡くなって19年。この時期になってもまだ新曲を発表するパワーに驚かされました」と笑顔でしのんだ。03年発売の「武蔵流転パート2」以来、5年ぶりの新曲は、秘蔵コレクションなどを展示している「京都嵐山

 美空ひばり座」で10月1日から販売する。