俳優水谷豊(56)が17年ぶりに時代劇に挑戦する。テレビ朝日系ドラマスペシャル「だましゑ(え)歌麿」(放送は未定)で、江戸後期の絵師・喜多川歌麿を演じる。

 現在京都で撮影中の水谷は「かつらをかぶっている意識が全然なくて。2回ぐらいぶつけちゃって直しました」。92年のドラマ「勢揃い清水一家・次郎長売り出す」以来のちょんまげ姿を楽しんでいる様子だ。幕府の迫害を受け、もがき苦しみながらも浮世絵を描き続ける歌麿役。「おかみの方はずっと『相棒』でやっていますから」。クールな杉下右京とは180度違う役柄を熱演している。

 撮影前には版画研究所へ行き、浮世絵のイメージを膨らませた。「京都芸大の先生にも筆の使い方を教えていただいた。東京へ帰る時に、筆を3本渡されてね。練習しろってことなんでしょう」と苦笑い。実際にジャケットに筆を入れ「普段から練習した」という筆づかいも見どころだ。

 昨年の「相棒-劇場版-」で24年ぶりに映画出演。22年ぶりに歌手活動も再開し、今度は17年ぶりの時代劇と“ぶり”づいている。「本当にたまたま。でも僕1人では何もできない。どれだけいい人たちといい仕事ができているかという証しだとは思う」と自信も見せる。

 「熱中時代」北野広大から「相棒」の右京まで数々のはまり役を持つ水谷。今回はスペシャルドラマだが、相棒も土曜ワイド劇場から連ドラ化されて今に至る。絵師・歌麿が新たな代表作の1つに加わるかもしれない。

 [2009年3月24日8時33分

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