俳優江口洋介(41)が10日午後7時半ごろ、東京都渋谷区富ケ谷2丁目のガソリンスタンドから大型バイクで発進した直後に自転車をよけて転倒し、左の鎖骨と肋骨(ろっこつ)を数カ所骨折する重傷を負った。都内の救急センターに搬送されて緊急入院し、全治2カ月と診断された。10日ほどの入院が必要で、7月7日開始のフジテレビ系主演ドラマ「救命病棟24時

 第4シリーズ」の収録予定が大幅に変更されそうだ。

 過去のシリーズで平均視聴率20%を超える人気作「救命病棟24時」で天才外科医を演じる江口が、皮肉にも救急車で運ばれた。事故は渋谷区の三差路交差点に面したガソリンスタンドで、1100ccの大型バイクに給油。店を出て、山手通りを新宿方面へ左折しようとした際、右から走ってきた自転車を避けようと急ブレーキをかけて、左側に転倒した。

 同店員によると「大きな音がして振り返ると、江口さんが転倒されていた。腕にすり傷などがあって、鎖骨が折れたかもと言っていた。歩道にいすを運んで座ってもらい、救急車を待っていた」と話した。都内の病院に運ばれ、鎖骨骨折と左肋骨多発骨折で全治2カ月と診断され、緊急入院した。自転車に乗っていた会社員(36)はバイクと接触せず、けがはなかった。

 所轄の警視庁代々木署は状況を説明しながら江口の危機管理に感心した。「白バイ隊の署員でも『1100ccバイクで、とっさの自転車は避けられない』と驚いています。接触事故を避けて、自ら左に転倒したのは、優れた反射神経と運転技術に加え、運転に集中していた証拠。優良ライダーだから、大事故を免れた」と説明した。同クラスのバイクの重量は250キロ前後で「けがを最小限にするように、うまく転倒したのだろう」とみている。江口のバイク歴は20歳からで、約20年。一時は数台を所有し、バイク雑誌に掲載されるほどのライダーだった。最近は主に乗用車を利用しており、この日は給油にだけ外出したという。

 所属事務所によると約10日の入院と、3週間の安静を指示された。ヘルメット着用で頭部への衝撃も免れたため意識ははっきりしており、ベッドの上で「申し訳ない」と繰り返しながら、自転車の会社員の無傷に、安心しているという。

 同ドラマは7日に収録を開始、江口はこの2日間は休みだった。フジテレビは「回復状況を見ながら、検討していく。江口さんの1日も早い回復をお祈り申し上げます」とし、今週末までは全収録を中止する。関係者によると降板はせず負傷をカバーしながらの演技となりそうだが、場合によっては放送開始を数週間遅らせることもありそうだ。

 [2009年6月12日9時20分

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