女優江角マキコ(46)が1日、都内で行われたフジテレビ系主演ドラマ「ショムニ2013」(10日スタート、水曜午後10時)の制作発表に出席した。03年スペシャルドラマ以来、10年ぶりの復活に、おなじみのミニスカート姿で登場。98年の第1弾から15年にわたって演じてきた代表作との出合いは、女優人生の転機だったと明かした。共演メンバーは大きく変わったが、この日も存在感は抜群だった。

 慣れ親しんだ水色の制服が気分を高揚させたのか。江角は短いスカートがさらにめくれ上がっても動じない。それどころか、ステージ袖から運んできた脚立に登り、さっそうとポーズを決めた。「ショムニ」ファンを意識したパフォーマンスだった。大ヒットしたドラマの中で、江角演じたヒロイン坪井千夏が脚立を持ち歩く姿が印象的だった。その再現は、江角の発案だった。「昔見ていた人も、新しい人も楽しんでいただけるように頑張りたい」。10年間の「時差」を一気に縮めてみせた。

 「ショムニ」は女優人生の分岐点だった。実業団バレーボール選手を経て、モデルとなり、女優に転身した。「体の大きさ、声の太さ。悩んでいたコンプレックスの部分をフル活用できたドラマだった」。千夏という役柄に出合い、悩みを持ち味に変えた。連続ドラマとして98、00、02年と3度も放送された。「ウイークポイントを『バンッ』と出すことでプラスに持っていけた。演じることで人生が変わりました」。

 強烈なキャラクターに、周囲で混同する人もいたという。05年に女児、09年に男児を出産した主婦の顔を持つ。この日は「お弁当を毎日幼稚園に届けていても『メロンパンを毎日窓から放り投げている』とか『幼稚園の門の前でホイッスルを持って服装検査をしている』などのうわさが流れました」と苦笑いした。

 03年のスペシャルドラマ以来となる。「子育てで膝小僧が硬くなっていた。角質を取らないとと思っていた」と冗談も交えて代表作「ショムニ」への思いを語る姿にはブランクを感じさせない余裕も漂った。「久々にこの制服を着ると感覚が戻ってくる」。舞台となる「庶務2課」のメンバーは一新されたが、「ショムニ」を引っ張っていくのは江角しかいない。【三須一紀】

 ◆ショムニ

 満帆商事の落ちこぼれ女性社員が集まる総務部庶務2課、通称「ショムニ」に6人(江角、戸田恵子、高橋由美子、宝生舞、桜井淳子、京野ことみ)が配属された。社内の雑用をこなす一方、自らの信じた道を突き進むことによって結果的に会社を救っていく。江角演じる坪井千夏は口が悪く、自己中心的なボス的存在だが、蛍光灯交換のため脚立を担ぐ役割もこなした。ドラマは6人の活躍を1話完結形式で描いた。第1シリーズは平均視聴率21・8%を記録。