なかにし礼氏(76)が作詞家・作家生活50周年を記念して、異色のアルバムを発表することが12日、分かった。これまで多くの小説などが映画化やドラマ化、舞台化され、それを縁に交流がある女優12人が、同氏のヒット曲や隠れた名曲を歌う「なかにし礼と12人の女優たち」。今月21日に発売される。
参加したのは、草笛光子(81)黒柳徹子(81)水谷八重子(75)佐久間良子(75)浅丘ルリ子(74)泉ピン子(67)桃井かおり(63)平淑恵(60)大竹しのぶ(57)高島礼子(50)南野陽子(47)常盤貴子(42)の12人。人気や実力、実績を兼ね備えた女優らしく、豊かな表現力で同氏の名曲を歌い上げている。とくに黒柳、佐久間、平、高島、常盤はレコーディング初挑戦となり、歌声が初めてCDに収録された。
◆映画「赤い月」ヒロインの常盤貴子
歌い方のコツをなかにし先生直々に教わってしまったからには、今後は十八番とさせていただきます。
■なかにし氏
うまくて、かわいいったらない。サビのハーモニーなんか楽々とやってのけた!
◆「水谷良重」時代から親交がある水谷八重子
1度も歌ったことのない男の歌にチャレンジしました。
■なかにし氏
「良重」のころから舞台を見て、歌手としての訳詞を提供してきた。ここまで堂々とセクシーであると、何か突き抜けていて品格がある。
◆舞台「てるてる坊主の照子さん」に出演した南野陽子
「ナンノは面白いね」と会うたびに言われます。選曲は十数曲も迷い、選びきれずに困りました。
■なかにし氏
もともと歌手でもあるからうまくて当然だが、こんな渋い歌を見事に歌いこなした。
◆舞台「長崎ぶらぶら節」「赤い月」主演の平淑恵
「別れの朝」は一番好きでしたが、歌唱力を問われる難しい曲であきらめていたところ、先生に背中を押していただきました。
■なかにし氏
レコーディングは初体験。女優の集中力のすごさを見た。
◆旧満州国出身としての付き合いもある浅丘ルリ子
初めてお会いしたのは昭和42年ごろ。気軽にハグできる仲です。
■なかにし氏
「心の裏窓」「悲しみは女だけに」という歌をこの方に書いた。寅さんならぬ私のマドンナ、永遠のリリーでもある。
◆ドラマ「兄弟」に出演した桃井かおり
とにかく歌うというのは恥ずかしくて…。久しぶりに緊張いたしまして、勇気だけで出向きました。
■なかにし氏
芝居のうまさは万人が認めるところだけれど、歌のうまさも尋常じゃない。
◆ドラマ「赤い月」「夜盗」に出演した泉ピン子
昔キャバレーで歌っていましたが、何十年ぶりに歌いました。
■なかにし氏
この曲(石狩挽歌)に最初に名乗りを上げ、誰にも譲れないとまで言った。声にも合っている。聴いて驚くな、だ。
◆舞台「長崎ぶらぶら節」「てるてる坊主の照子さん」に主演した佐久間良子
歌というより、語りの延長という思いの作品です。
■なかにし氏
声の良さは天下一品。その声で語るように歌うドイツの名歌。曲前に詞を加え、佐久間良子バージョンにした。
◆ドラマ「兄弟」「赤い月」「夜盗」や映画「長崎ぶらぶら節」に出演した高島礼子
歌は好きですが、苦手でとても不安で。当日もカラオケボックスでしっかり練習してから行きました。十八番にしたいです。
■なかにし氏
なんともセクシーな声だなぁ。
◆世界劇「源氏物語」やミュージカル「ラ・マンチャの男」に出演した草笛光子
歌は自信がないから緊張する。いつも熱が出るくらいに緊張しちゃうんですが今回は出ませんでした。
■なかにし氏
うまくて当然なのだが、この女心には泣かされる。
◆09年ごろから親交が深い大竹しのぶ
たった数分の歌なのに一編の小説を読んだ時のような気持ちにさせてしまうなんて。そんな歌をこれからも女優として歌っていきたい。
■なかにし氏
歌は折り紙付きだ。芝居だけでなく歌も天才少女。
◆約40年前に「徹子の部屋」に出演以来、親交の深い黒柳徹子
人生の節目のお話をうかがってきました。大好きで尊敬する方です。
■なかにし氏
チャリティーなどを一緒にやった仲。世界の平和を願って(「世界の子供たち」を)みんなで歌いましょう。