カンヌで武井咲(18)が「日本の宝石」と評された。開催中のカンヌ国際映画祭で22日午前(日本時間同日午後)、ミッドナイトスクリーニング部門に出品された「愛と誠」(三池崇史監督、6月16日公開)が上映された。妻夫木聡(31)と武井が共演したラブストーリーで、終了後は2人の演技に称賛の声が相次いだ。

 上映会はメーン会場のグランドシアター・ルミエールで行われた。三池監督、妻夫木、武井は出席できなかったが、山崎美春プロデューサーが訪れた。世界的に知名度の高い三池監督の新作とあって、1200席がほぼ満員となる人気。山崎プロデューサーが会場に姿を見せると観客が総立ちで拍手を送り、上映終了後も約10分間のスタンディングオベーションが起こった。

 上映中は随所で笑いや口笛、拍手がわき上がるなど、原作を知らないフランスの映画ファンも「愛と誠」ワールドに浸っていた。特に冒頭の太賀誠(妻夫木)の登場シーンや早乙女愛(武井)のいちずな発言、岩清水が歌うシーンなどに場内は大盛り上がり。終了後は「今年のカンヌで最もユニークな作品」という声も上がった。

 武井には「日本映画の宝石を見つけた」「本当にかわいらしかった」「初出演とは思えない演技」などの感想が寄せられた。「愛と誠」が映画初出演となるが、現地の目の肥えた映画ファンやプレスにも鮮烈な印象を与えたようだ。また、妻夫木に「ぜひヨーロッパなど海外の作品に出演してもらいたい」と要望する声もあった。

 日本で上映会の様子を聞いた武井は「感激しています。私の大好きな『愛と誠』が、そうやって評価していただけると、やって良かったと思うし、三池監督の作品に出られてうれしいなあって、改めて思いますね」と喜んでいた。

 ◆映画「愛と誠」

 70年代に「週刊少年マガジン」で連載された大ヒット漫画が原作。東京に出てきた超不良の太賀誠と、究極のお嬢さま早乙女愛の純愛を描く。愛に一方的に思いを寄せる優等生の岩清水(斎藤工)や誠に目をつける番長、スケバングループが2人を取り巻く。小林武史氏が劇中音楽をプロデュース。妻夫木、武井ら出演者が歌と踊りも披露している。