小池百合子都知事VSドン内田茂氏の「代理戦争」となる千代田区長選(29日告示、2月5日投開票)で、小池陣営の対抗馬となる与謝野信(まこと)氏(41)は13日、都内で会見し、正式に出馬を表明した。

 千代田区は内田氏の地元で、与謝野氏は与謝野馨元財務相のおい。当初、自民党都連は公募で候補者を決める方針だったが、意中の人物の事態が相次ぎ、与謝野氏のおいで、自民党の政経塾に通っていた信氏に白羽の矢が立った。

 推薦も12日付と、ドタバタの決定。会見に、内田氏は姿を見せなかった。

 信氏は、英ケンブリッジ大卒業で、外資系証券会社に勤務していた。「千代田区は、おじが長年支援していただいた。恩返しできるようにと考え、立候補した」とあいさつ。「サラリーマン家庭に育ち、多くの区民と同じ現役世代の声を反映できる。民間や、海外で働き、学び生活した経験も国際都市千代田のために役立てたい」と訴えた。「決断したのは年末。なかなか政界に若い人が入っていない。そういうことなら、率先して政治の世界に入ろうと思った」という。

 また「相手候補や支援団体の悪口は言わない。フェアプレーの選挙戦を目指したい」と、小池氏と内田氏の「代理戦争」といわれることから、一線を画す意向を強調した。

 小池氏について「政治家として素晴らしい方。誠意経験のない人間からすれば雲の上のような存在」と指摘。小池氏が支援し、5選を目指す石川雅己区長(75)についても「素晴らしい実績を持っている。今までの千代田区のいいところは引き継ぎ、さらに新しい風を吹かせたい」と、述べた。

 家族構成を問われると、「妻1人と、イヌのローズといっしょに住んでいる。(イヌは)女の子です」と、実直そうに答えた。与謝野は現在療養中で、話はしていないが、「以前から政治の相談はしていた」と強調した。

 同席した都連所属の井上信治衆院議員は、対立候補を応援する小池氏が、処分の対象になるか問われ、「あくまで千代田区の区長選。都政、国政とは関係ない」と述べるにとどめた。