北京五輪の開会式演出に携わったアートディレクターの水谷孝次氏が、2015年に起きたネパール地震から2年を迎えた25日、現地で「MERRY NEPAL(メリー・ネパール)」と題した「笑顔の復興支援活動」を行った。

 首都カトマンズにある世界遺産の仏塔「ボダナート」の近くにある仮設テント村で、市民らとともに笑顔がプリントされた傘を開いた。現地の人々とともに、早期の復興に向けた思いを分かち合った。

 水谷氏らは3月に1度、現地入りした後、今月19日に再びネパールに入った。「現地の人々の力で、ネパールに笑顔を取り戻すことが、今回の活動の目的」という。

 この日の活動に先立ち、22日に行われたボダナートの活動では、ネパールの小学生30人も参加、笑顔の傘を広げた。

 水谷氏は「いまだにネパールにある多くの世界遺産は地震で壊れたまま」とした上で「ボダナートは、ネパールの市民が協力して修復された、復興の象徴・シンボル。その前で多くの人々を笑顔にすることができ、素晴らしい時間になりました」と感想を述べた。

 現地の人だけでなく、観光客らも「笑顔の傘」のイベントに参加。それぞれが写真を撮影してSNSを通じ、今も復興への道半ばにあるネパールの現状や、未来を見据えた活動を、発信してもらったという。

 水谷氏は、メキシコの小学生から受け取ったという絵を、現地の子どもたちに贈ったほか、文房具やお菓子をプレゼント。ネパール地震の記憶を薄れさせないための活動を、今後も支援する意向を示した。「ネパールの子どもたちの笑顔は、未来への希望。これからも、ネパールを笑顔にするために、継続的なムーブメントにしたい」と話した。