若き侍として、海の向こうで韋駄天(いだてん)を磨く。高卒2年目で期待の阪神植田海内野手(20)が、28日からメキシコで開催される「第1回WBSC U23ワールドカップ」日本代表入りしたことが4日、分かった。日の丸を背負うことが決まった若虎はフェニックス・リーグ韓国斗山戦でも3打数3安打1盗塁と大ハッスルした。

 日本から直線距離で約1万1000キロ。太平洋を隔てた太陽の国メキシコに、高卒2年目の植田が乗り込む。28日から約1週間行われる「U23ワールドカップ」。20歳の若虎は日本代表入りを果たした。

 飛躍の1年を最高の形で締めくくるつもりだ。今季は当初の右打ちから、快足を生かすため、両打ちに挑戦。ウエスタン・リーグでは成功率100%の12盗塁の実績を残し、今季最終戦となった1日巨人戦に代走でプロ初出場。盗塁を試みて惜しくもアウトとなったが、1軍の舞台も踏んだシーズンとなった。

 現在は24日まで行われるフェニックス・リーグに参加。この日の韓国・斗山戦にも2番遊撃で先発出場した。左打席で右翼越えの2点三塁打を放てば、右打席でも適時打を放ち、3打数3安打。4打点を挙げて1盗塁と大暴れだった。

 「ボール球に手を出さなくなったのは良かったと思います。練習の成果が出ているんじゃないですかね」。来るべき国際大会に向けて、気合も十分といった様子だった。

 日本と比べれば、環境的にも決して恵まれていない地。日の丸を背負い戦う重圧も経験すれば、精神的に一回りも二回りも成長し、プロでの飛躍を後押しすることは間違いないだろう。4位からの巻き返しを図る金本阪神は、機動力アップが重要な課題。背番号62にかかる期待も少なくはない。3年目の開幕1軍スタートへ、植田がジャパンで成長する。

 ◆植田海(うえだ・かい)1996年(平8)4月19日、滋賀県生まれ。近江3年夏に甲子園出場。14年ドラフト5位で阪神入団。1年目は1軍出場なしも、秋季キャンプは金本監督の推薦で1軍合流。2年目には、金本監督と掛布2軍監督の打診で両打ちに挑戦。10月1日巨人戦で1軍デビューを果たした。175センチ、70キロ。推定年俸500万円。

 ◆第1回WBSC U23ワールドカップ 10月28日~11月6日まで、メキシコ・モンテレイで行われる世界大会。12の国と地域が2組に分かれて1次ラウンドを行う。巨人斎藤2軍監督が率いる日本はプロと社会人の混成チームで臨み、B組で台湾、オーストラリア、ニカラグア、アルゼンチン、オーストリアと対戦する。