大阪球場の「南海対西鉄」を再現!?

 パ・リーグは9日、公式戦日程の変更と開催地を発表し、ソフトバンクが8月18日西武戦を京セラドーム大阪で主催することが正式決定した。南海軍とし大阪で発足し、89年の福岡移転後は初となる「里帰り」が実現。詳細は未定ながら両軍復刻ユニホームを着用した「南海対西鉄」の当時の黄金カード復活プランが挙がっている。

 大阪を保護地域にするオリックスの承諾を得て、生まれ育った大阪への「里帰り」が実現した。球団広報部は「南海からダイエーになって25年がたったが、原点である大阪で主催試合をやるのは長年の夢だった」と話した。球団の福岡移転後、初めて大阪での主催試合開催が決定。ようやくの悲願成就だ。38年に前身の南海軍が大阪に発足し、南海は1950年~60年代に黄金期を誇った。ちょうど日本の高度成長期と重なり、88年を最後に球団が福岡に移ってもホークスファンは多いことで知られる。

 当時の大阪球場跡地は複合商業施設「なんばパークス」に生まれ変わり、今回の“帰省先”はそこから西へ約3キロにある京セラドーム大阪。普段はビジターだが、主催ならソフトバンクが試合のすべてを自前でできる。演出など詳細は今後、球団内で協議されるが、候補の1つに挙がってくるのが「南海対西鉄」の復刻シリーズだ。

 南海のユニホームは、08年と球団創設75周年だった昨年の2度復刻し、新旧ファンの話題を集めた。京セラドーム大阪では両年ともお披露目し、08年には所有していた南海ファンの協力で、実際に使われていた大阪球場の看板が復活されるなど、敵地ながら人気の根強さを印象づけた。そこで今回は西武にも前身の西鉄の復刻ユニホーム着用を呼びかけ、黄金カードとして平和台、大阪の両球場を熱狂させていた当時を再現しようというわけだ。

 他にも入場者全員に年替わりのレプリカユニホームを配布する「鷹の祭典」を大阪で初開催する案も出ており、移転25周年を迎えた節目にふさわしい「里帰り」イベントを検討していく。

 ◆南海ホークス

 ソフトバンクの前身球団。1938年(昭13)に南海軍として創設。近畿日本軍、グレートリングと改称し、47年から南海ホークスに。50年から大阪球場を本拠地とした。1リーグ時代に2度、パ・リーグでは10度優勝。59、64年に日本一。西鉄戦の通算成績は253勝193敗33分け。88年オフにダイエーに球団譲渡された。

 ◆西鉄ライオンズ

 西武ライオンズの前身球団。1949年(昭24)に西鉄クリッパーズとして創設。51年から西鉄ライオンズに。50年代後半以降は稲尾和久、大下弘、中西太、豊田泰光らを擁して「野武士軍団」と呼ばれた。リーグ優勝5度、日本一3度。73年から球団譲渡により太平洋に。

 ◆ソフトバンクの開催球場決定と日程変更

 当初8月21日に開催地未定で発表された8月21日西武戦が、同18日に京セラドーム大阪での開催が決定。他には5月9日西武戦(北九州)、7月1日ロッテ戦(東京ドーム)、同22日ロッテ戦(北九州)、8月12日楽天戦(熊本)で、この5試合以外の主催試合はヤフオクドーム。