西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が宝富士を突き落としで下し、10勝1敗とし、結びの一番で全勝だった横綱鶴竜が敗れたため、賜杯レースのトップに並んだ。自身は右四つ、相手は左四つが得意のため、けんか四つの差して争いとなり、激しい突き、張り手の応酬に。最後は土俵際に押し込まれたものの、体を右に交わした。物言いがついたが、軍配通りで勝ち名乗りを受けた。

 「先に向こうが落ちたと感じた。7割ぐらい、勝ったかなと思っていた」という。最後は守勢に回った点に触れて「いなされた所で落ち着いて押せたらね。ちょっと硬かった。“勝ちたい、勝ちたい”と思っちゃったから」と反省も口にした。

 残り4日で10勝1敗。待望の優勝も視野に入る。「まだまだ早いでしょ」と言うものの「勝てるとうれしい。疲れもたまらないからね」と言葉が弾む。古傷の右膝の状態も良好。怪力で鳴る“ジョージアの怪物”が千秋楽まで突っ走るか。