【パリ27日=木下淳】全仏オープンジュニアの本戦進出をかけた「全仏オープンジュニア ワイルドカード選手権 in partnership with LONGINES」の決勝が27日、パリ・ローランギャロスで行われた。

 日本女子は世界ランク76位の永田杏里(17=愛知・南山高)が、米国のコリー・ガウフ(13)を6-4、6-4で下して優勝し、推薦枠で全仏オープンジュニア(6月4日開幕)に出場する権利を獲得した。日本女子としては、昨年の清水綾乃に続く2年連続の本戦出場となった。

 第1セットは強打のガウフを前に苦しんだが、3-3で迎えた第4ゲームを執念でブレーク。相手アドバンテージからコードボールで追いつくと、一気に連続ポイントでセットを取り、そのまま6-4と突き放した。

 第2セットも、打ち込んでくる相手とラリーを続けながら、うまく自分の展開に持ち込んだ。前日の予選を終えた後に「ドロップショットやスライスが有効だと思う」と話していた通りの戦術を遂行し、6-4で制して頂点に立った。女子の参加6選手の中でランキング1位の意地だった。

 念願の優勝に「とてもうれしいです。緊張したり、ところどころ弱気にもなったけど、まずは返すようにして、最後は自分からいって打ち勝てたと思う。ローランギャロスの雰囲気と応援が良くて、より勝ちたいなと思った」と笑顔を見せた。試合後には地元の子供たちからのサイン攻めにあい、フランスのメディアからも取材を受けていた。

 日本女子のホープ。ダブルスでベスト4入りした1月の全豪オープンジュニアに続き、推薦枠ながらシングルスで全仏オープンジュニアへの出場権も手に入れた。優勝の安堵(あんど)もつかの間、1週間後には新たな挑戦が始まる。「全仏は華やかで、グランドスラムの中で最も出たかった大会。そこまでにサーブやリターンの課題を修正して臨めれば」と本戦での快進撃も思い描いた。

 「全仏オープンジュニアワイルドカード選手権 in partnership with LONGINES」は、ランキングでは本戦に出場することができない世界の若手にチャンスを与え、才能を発掘する大会。今回は日本、韓国、中国、インド、米国、ブラジルの予選を勝ち抜いた男女6人ずつが参加し、永田は1次リーグ第1試合でインドのマリカ・マラーティ(14)を6-1、6-0で圧倒。第2試合もブラジルのナタリア・ウルフ・ガスパリン(17)を6-3、6-0と寄せつけなかった。