リオデジャネイロ・パラリンピックに出場する大堂秀樹(41=コカ・コーライーストジャパン)が180キロを挙げて2位に入り、順調な調整をアピールした。

 大堂は終始落ち着いていた。記録は優勝したライバルの宇城元(42=順大)に7キロ差で敗れたが、焦りはない。3回の試技の重量は、昨日までに決めていた。「リオ大会に向けて順調です。ここから徐々に重量と調子を上げていきたい。照準は9月(リオ大会)ですし、昨年11月に痛めた右肩のけがも完治してないため、今は無理しません」。

 大堂は高校卒業後、交通事故で脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされた。入院中、パワーリフティングに打ち込む男性と出会い、同競技を始めた。スタートは80キロで、トレーニングを重ねるごとに記録が伸びた。腕回りは46センチまでになった。08年北京大会は75キロ級で187・5キロを持ち上げ8位、12年ロンドン大会は82・5キロ級で191キロを挙げて6位入賞した。リオ大会では「200キロ超え」で、過去最高の5位以上を目指している。

 大堂はアスリートらしからぬ一面もある。食事の好き嫌いが激しく、車いすの足元のポケットには、常に大好きなコカ・コーラを入れている。数年前から毎日飲んでおり、「集中力が高まる」という。さらに、今月16日には、就職支援制度「アスナビ」を利用して、コカ・コーライーストジャパンに転職した。「天職です。海外の水は危ないけど、コカ・コーラは安全。ブラジルでも、もちろんお世話になります」と言い、試技後、コーラをラッパ飲みした。

 また、リオ大会に出場する54キロ級の西崎哲男(38=乃村工芸社)は自身の日本記録を1キロ更新する136キロで優勝。10年バンクーバー冬季パラリンピックのアイススレッジホッケー銀メダリスト、馬島誠(44)は97キロ級で自己最高の141キロで優勝した。