リオデジャネイロ五輪の選手村は24日の正式オープン早々にずさんな整備状況が発覚し、選手団から不満が噴出した。オーストラリア・オリンピック委員会(AOC)は選手を当面は入村させない方針を発表し、国際オリンピック委員会(IOC)も大会組織委員会に対策を指示する事態となった。

 オーストラリアのキティ・チラー団長の抗議声明には、世界のトップ選手を迎える環境とはほど遠い言葉が並んだ。トイレは流れず、階段の吹き抜けは真っ暗。電気配線はむき出しで、床は「大規模な清掃が必要な汚さ」と指摘した。複数の階で同時に電気を使い、トイレを流す独自の安全テストをしたところ壁から水が漏れ、室内に異臭が漂ったという。AOCは近隣に代替の宿泊施設を確保した。

 日本選手一番乗りで24日に入村したカヌー・スラローム男子の矢沢一輝選手(善光寺大勧進)は「足の裏が汚れた」と話し、早速床の雑巾がけを強いられたという。

 AOCによると、IOCは組織委に対し、火災報知機や配管まで検査するよう求めた。不評の嵐に、元バスケットボール女子のブラジル代表で選手村村長を務めるジャネト・アルカインさんは「3日以内には問題を解消する。作業員を増員した」と改善を約束した。