国際オリンピック委員会(IOC)からロシア選手のリオデジャネイロ五輪参加可否を巡る判断を委ねられた国際競技連盟(IF)は、8月5日の開幕に向けて本格的な手続きに着手した。24日には国際テニス連盟(ITF)がロシア8選手の参加を容認。25日にはアーチェリーの3選手の出場が認められ、体操も参加に向けて動きだした。

 IOCは緊急理事会で、ロシア選手の五輪出場にはドーピング違反歴がないことや、信用できる国外検査をクリアしていることなどの条件を付けた。テニスのトップ選手は世界を転戦するため、ITFは参加予定の男子3選手、女子5選手についてロシア国外で「厳格なドーピング検査を受けている」と説明。4大大会で2度の優勝経験を持つ女子のスベトラーナ・クズネツォワらが出場することになる。

 柔道は4年前のロンドン五輪男子で金メダル3個を獲得した強豪。ウラジーミル・プーチン大統領が名誉会長を務める国際柔道連盟のマリアス・ビゼール会長は声明で「柔道ではロシア選手の出場は非常に重要」と決定を歓迎した。国際体操連盟は25日、直ちに出場可能選手の手続きに入る方針を表明。国際馬術連盟も参加を認める姿勢を示した。

 各IFは開幕までの限られた時間で判断を強いられる。陸上チームの参加を禁じた国際陸連のセバスチャン・コー会長は「正しく手続きを進める難しさを理解している。他の連盟に助言する準備がある」とコメント。国際自転車連合(UCI)のブライアン・クックソン会長は「選手個別に注意深く状況を見守りたい」と述べた。