<W杯アジア2次予選兼アジア杯予選:日本6-0アフガニスタン>◇E組◇8日◇イラン・テヘラン

 気になる采配があった。ハリルホジッチ監督は、20分を残して、原口を右サイドバックに配置した。スコアの余裕もあったし、新しい攻撃のオプションを試したかったのだろう。

 しかしその6分後、右FWに武藤を入れ、右にいた本田を中央に配置した。右の縦ラインにドリブルを得意とする選手を2人並べた。武藤は、ボールを受けると、素早くペナルティーエリア内に仕掛けるタイプ。この組み合わせでは、原口がDFラインから前線へ上がるタイミングが計りにくく、結局両方の良さが消えてしまう。武藤を中央に配置し、タメが作れる本田を右に配置していれば、原口も前線へ上がりやすくなるし、攻撃の厚みも増す。それによって武藤の中央突破も生きたはずだ。

 実質、後半途中から相手はファイティングポーズが取れなくなった。なのに、残り9分で長谷部に代えて遠藤を投入した。ボランチに山口と遠藤と、守備を得意とする2人を並べた。ほぼ死に体の相手に、守備の何を試したかったのか。残りの時間で右サイドの攻撃力を試すと判断したのであれば、柴崎らを入れて、低い位置からサイドにボールを散らすことを試してもよかった。

 この日は、6-0の快勝で、その采配は目立たなかったかもしれないが、最終予選で似たような配置ミスがあれば、命取りになる危険性もある。(日刊スポーツ評論家)