<高校サッカー:藤枝明誠1-0岐阜工>◇3回戦◇3日◇駒沢

 攻撃サッカーの藤枝明誠(静岡)が鉄壁を誇る岐阜工(岐阜)に守り勝ち、ベスト8に進出した。右足首を負傷していたDF増田浩史(3年)が後半4分にCKをヘディングで合わせ、公式戦8試合連続無失点の岐阜工ゴールをこじ開けると、終盤の反撃を耐え抜いた。5日の準々決勝では目標の国立切符をかけ、関大一(大阪)と対戦する。

 試合終了の笛を聞くと両足に故障を抱えるFW安東大介(3年)は、その場に倒れ込んだ。どのイレブンもガッツポーズが小さい。喜びを爆発させる余力は残っていなかった。前日、強豪国見を倒したスタメンが、連戦でも1人も交代せず終盤の猛攻を耐えしのいだ。田村和彦監督(49)は「最後まで集中力を切らさずに戦えていた。今日の勝因はそのことに尽きます」と振り返った。

 岐阜工はPK戦で敗れた全国総体3試合、選手権県大会4試合に、前日の東福岡戦まで8試合連続無失点を続けていた。鉄壁の牙城を崩したのは、右足首を負傷しながら強行出場したDF増田の1発だった。0-0で迎えた後半4分。ニアサイドに飛び込み、ピンポイントでヘディングシュート。強烈な弾道は、ゴール左隅に突き刺さった。復帰2戦目で値千金の決勝弾。ガッツポーズのままアシストしたMF辻俊行(3年)と抱き合った。「超うれしいです。狙っていました。完ぺきだと思います」。国見戦ではCKが1本もなく、DFラインから前線に上がる機会が少なかっただけに、喜びも倍増。公式戦約3カ月ぶりのゴールを自画自賛した。

 岐阜工とは昨年の東海プリンス1部リーグで対戦。藤枝明誠が接戦を制したものの、退場者が出て大荒れの試合となった。因縁の相手に体力は限界でも、気力が上回った。先制した直後から、岐阜工はパワープレーに転じて、自陣ゴール前にボールを集められた。DF藤原賢土(3年)が空中戦でしぶとくはね返すと、GK甲斐透真(3年)も、好セーブを連発した。自軍のシュート数7本に対して、11本のシュートを浴びせられたが、DF陣が体を投げ出してゴールを死守した。DFリーダーの藤原は「最後はボロボロになりました。でも完封できたのは自信になります」と胸を張った。

 初出場した10月の高円宮杯全日本ユースでは、決勝ラウンド準々決勝で、広島ユースに敗れて(0●2)、国立のピッチを踏めなかった。以来「国立に行こう」をテーマに掲げて激戦静岡予選を突破。38回出場の徳島商、22回の国見、23回の岐阜工を下しての8強入り。初陣で83回出場分の歴史をはね返した。田村監督は「1つ1つの積み重ねでここまできた。次は結果にこだわりたい」。増田も「まだまだこのチームで試合がしたい。無失点に抑えて勝ちます」と意欲を見せた。目標の「国立」はもう目の前だ。【神谷亮磨】