<キリンチャレンジ杯:日本3-1アイスランド>◇24日◇大阪・長居スタジアム

 日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(58)が、新戦力を探せなかった。FW前田遼一(30)らなじみのメンバーの得点で、アイスランドに勝ち、14年W杯ブラジル大会アジア最終予選イヤーを白星発進した。ただ、FW久保裕也(18)ら若手新戦力を起用せず、就任後初選出したほとんどの選手が期待通りの活躍を見せられず、最重要ポイントだった底上げはできずじまい。今日25日にはウズベキスタン戦(29日、豊田ス)に向け、欧州組を含むベストメンバーを発表する。

 司令官が、抽象的な言葉で新戦力をかばった。試合後の会見の冒頭に「ピッチ上で少しできなかったことはあるが、フィジカルコンディションからくるものだった。ある程度、想定内のこと」と話し、報道陣から「フィジカルが良くないと、新戦力を見極められず、評価できないのでは?」と突っ込まれると「学校で例えると、選手が与えられた宿題をどうやってできたかを見たわけで、みんなできたと思う」と、質問の的を外し、はぐらかした。選手の個人批判を極力避ける、同監督らしい答えだった。

 内心は穏やかではない。特に後半は、怒りをあらわにする場面が何度かあった。左MFで代表デビューした田中に、しつこく「もっとサイドに開け」と、タッチライン沿いを指さしながら声を張り上げた。槙野にも「もっと前でポジションを取れ」と声を荒らげた。後半30分すぎからは、ベンチの柱にもたれるように立ち、戦況を見つめる場面が目立った。試合後、田中は「怒られちゃいました。このシステムは難しいですね」と反省を口にした。

 今回のメンバーを発表した17日から前日(23日)まで、2度も「内容より個のプレーを見てみたい」と、代表の底上げを目標として挙げた。しかし、久保ら若手には出番を与えず、MF石川、DF近藤ら新戦力は結果を出すことができなかった。前田、藤本、槙野が得点したが、3人とも昨年1月のアジア杯優勝メンバーだ。途中出場で2得点に絡んだMF中村も、MF本田のバックアップとして結果を出してきたメンバーだ。

 「今日は試合前、選手に『2012年を勝ってスタートしよう』と話したが、要求に応えてくれた。これまでいい形でやってきたので、昨年からの流れを継続したい」。新戦力発掘はうまくいかなかったが、白星スタートを切ったことは、今後の自信につながる。

 昨年11月15日の北朝鮮戦で断ち切られた負けないザックジャパンが今年、再スタートを切った。【盧載鎭】