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9月

長谷川アリーアジャスール (東京/MF)

伏線があった21日名古屋戦の強烈ミドル弾

日刊スポーツ評論家中山雅史氏が解説

 素晴らしいゴールだった。名古屋戦(9月21日)の先制ミドルには伏線があったから。ルーカスからボールを受けたとき、一瞬ゴールを見て小さくキックフェイントを入れている。食ってかかってきたDFも見事に引っかかって、動きを止めてしまっている。長谷川は立ち上がりにも1本、ミドルシュートを放っていて、DFも「こいつは打ってくる」というのが頭にあったのだろう。だから、シュートコースを完全に防がれることなく、打つことができたんだと思う。

 ゴール前にはたくさんの相手が待ちかまえている。これらを打破するために、あらゆる手を尽くしてゴールを狙う。ミドルシュートというのは、そのうちの1つで、難易度も高い。でもミドルが打てる中盤がいるとFWというのは助かる。DFは食い止めようと、ゴール前から飛び出していかなければならない。ゴール前から外れれば、それだけFWへのマークが少なくなるということ。今度はゴール前での攻防で、主導権を握ることができるからね。

 聞くところによると、長谷川はこの試合からトップ下に入ったという。大宮戦(同28日)の先制アシストでは相手の裏まで走って、深い位置からクロスをあげた。シュートを打つことでも、自ら動きだすことでも、相手のバランスを崩すことができるというのは、長谷川の強みだということが証明された。

 あとは、FWとの連係面を充実させていけば、攻撃のバリエーションは自然と増えていくんじゃないかな。DFが迷うような攻撃を仕掛けることができる。結果的にチームを勝利に導けるわけだからね。(元日本代表FW)








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