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10月

榎本哲也 (横浜/GK)

3戦0封 広島との首位決戦では好セーブ連発

日刊スポーツ評論家秋田豊氏が解説

 優勝の行方に大きく影響する10月の3試合で、横浜が2勝1分けの無失点で抜けたことは大きかった。その中心にいたのが、GK榎本だった。特に、首位決戦だった19日の広島戦は圧巻だった。横浜は、立ち上がりから相手の猛攻に苦しんだ。しかし榎本はいつも以上に、さえていた。前半14分にはMF高萩のシュートを好セーブし、同21分にはMF石原との1対1の場面も防いだ。

 榎本は昨季までの3年間、正GKの座を後輩の飯倉に奪われた。GKはフィールドプレーヤーと違って、ポジションを変えて出場することはできない。枠は1つしかないわけで、1度レギュラーから外れると、精神的なダメージは大きい。負傷などもあり、第3GKにまで降格した時期もあった。しかし昨季終盤に2年10カ月ぶりにスタメン復帰すると、長いブランクを感じさせない、安定したプレーを継続している。

 長く苦しんだ分、成長があったのだろう。180センチ、76キロと、GKとしては小柄だが、意外とハイボールに強い。DFラインの背後のケアやシュートへの反応、コーチング、アグレッシブさなど、GKの要件を取りそろえている選手という印象があった。それに加え、今の榎本は、3年の苦い経験が糧となり、うまく自分の力に変えている。失点危機にも動じないことが、成長の証明だ。

 GKはチームに安定感をもたらす重要なポジションだ。優勝するチームには、優れたGKがいることが多い。目立たないが、最後のとりでとして、横浜の躍進を支えていることは間違いない。(日刊スポーツ評論家)








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