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11月・12月

大久保嘉人 (川崎/FW)

「得点王をとる」思いが凝縮

日刊スポーツ評論家中山雅史氏が解説

 もともと大久保選手は能力を持っている。驚いたのは清水戦(11月10日、等々力)の1点目。クロスに対してDFより早くジャンプして、相手がどうにもできない状態でヘディングしている。ゴールへ向かう姿勢ができている。だから相手に余裕ができない。そしてたたきつけている。それが大事。足もとを狙われるとGKは弱いからね。しかもボールの行方を最後まで目で追って見えている。意図したことがやれているんだと思う。「得点王とってやるんだ ! 」という思いも後半になってますます強くなって、ここに凝縮されている。

 今季、自分で打ってもいいところで、FWレナトにパスを出してきた。「何が何でも点を取ってやるんだ」と思っているんだけど、まずはチームのために確実に点を取れるところを選択していた。相手を引きつける、そしてフリーにさせて決めてもらう。移籍1年目で自分を分かってもらおうと思っただろうし、知ってもらおうとしたのだろう。だからこそ最初はパスもしただろうし、監督が求めるものを献身的にやっていたんだと思う。

 最後は「自分が得点王になってやろう」と思っていたのだろう。そういう大久保選手だからみんなもパスを出す。最後チャンスが巡ってきたときに、仲間も協力してくれる状況を自分で引き寄せた。1年目とは思えない。それが見事に結果として表れた。以前ならやんちゃ坊主と言われていたけど、今は洗練されているね。(元日本代表FW)








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