ベガルタが“オールブラックス”になる? 仙台が全28選手に「奇髪禁止令」を出した。4月に入ると同時に、明るい髪色だったFW山本大貴(23)MF杉浦恭平(26)藤村慶太(21)が、ほぼ黒髪短髪にチェンジ。今日4日、ホームで清水を迎え撃つ前に、チーム全体ですっきりと身なりを整えた。「ベガルタ紳士」になって、約1カ月間にわたる第1ステージ最大のヤマ場を乗り切っていく。

 上下黒地ベースの練習着に、黒髪短髪。青と黄色が主だった昨年とは、異なる力強さを表現するかのようなチーム全体の印象だ。これまで金髪に近い髪色をしていた山本、藤村、杉浦が髪色を落とし、選手全員がキリッと引き締まった表情で、清水戦へ向けた約1時間の練習に打ち込んだ。

 「奇髪禁止令」の発動。渡辺晋監督(41)は「(髪が)明るかろうがボンバーだろうが、プロだからいいとは思うんだけど…」とした一方、仙台には「紳士たれ」に等しい暗黙の? ルールが存在するともいう。スポンサーやサポーターの支えを受け宮城県、仙台市を代表するプロサッカーチーム。飛躍と復興のシンボルゆえに、身だしなみを整えることも求められる。

 同監督はキャンプ中から「応援してもらえる選手、クラブであるためにもきちんとした選手でいよう」と伝えていた。今回の件もクラブ上層部などの意見も踏まえた上で「ルールは守った方がいいという意味で選手には僕が言いました」。金髪や無駄な長髪など奇抜な頭髪禁止、ヒゲもある程度のみ可。今季加入の杉浦は「良い印象は大事。場所が変わればルールも変わる」と言い、復帰の山本は「言われたことは守るだけ」と従った。

 若き指揮官はスーツの着こなしにも目を光らせる。高卒新人のFW西村が初遠征の際は「正しくネクタイを締めて(ズボンの)裾をきれいにして靴もちゃんと履くように」と指導した。私生活もプレーにつながるとはよく言うが、主将のMF富田は「クラブとして、プレーも生活もまじめさを出すのはいいこと」と笑顔で話した。【成田光季】

<渡辺監督の今季改革>

 ◆手抜き禁止 ウオーミングアップから戦術練習まで、細部へのこだわりを徹底。昨季は「甘かった」との反省から、今年は「やり抜け」「サボるな」の言葉が日常的に飛ぶ。

 ◆丁寧な取材対応 「しっかりとした言葉で」人前で話すことを指導。

 ◆整理整頓 クラブハウス内のげた箱にきれいに靴を収納させている。