磐田は3-2で福岡を破り、第2ステージ初勝利、J1通算350勝を飾った。前半9分にMFアダイウトン(25)が決めて先制。その後、逆転されたが、後半18分に再びアダイウトン、同24分にDFパパドプーロス(31)がJ初得点を挙げて勝ち越した。9戦勝ちなしと苦しんでいたが、アウェーでJ1残留のライバルとの対決を制し、大きな勝ち点3を手にした。

 J1残留のライバルとの決戦で、新司令塔のMF川辺駿(20)が先制点を演出した。

 前半9分、最終ラインからのパスを受け取った川辺が、相手DFラインの裏にあるスペースを突き、浮き球のパスを出した。相手DFがクリアミスし、最後はイレギュラーに弾んだボールをアダイウトンが右足で冷静に決めた。本来はサイドの選手だが、得点力をいかすためFWとしてプレー。2トップを組むFWジェイ(34)にFWの動きを聞くなど、地道な努力が得点に結びついた。昨年から勝利していない福岡戦で先制し、流れをつかんだ。

 しかし、今季初めて守備の要DF大井健太郎(32)を欠いて逆転を許し、苦しい展開となった。大井は前節ホーム鳥栖戦(1-1)の試合終了間際に左太もも裏を痛め、全治には10日間ほどかかる見込みだ。

 それでも、勝利を渇望する気持ちが相手を上回った。1点リードされた3分後の後半18分、ジェイの強烈なシュートを相手GKがこぼし、アダイウトンが詰めて同点に追いついた。同24分には、MF上田康太(30)のFKをジェイが折り返し、ゴール前に上がっていたパパドプーロスが頭で押し込んで3点目を奪った。練習でヘディングを不得意にしている助っ人の初得点で、ベンチから選手が飛び出し大喜び。本人も「全員がハードに動いた結果だ」と胸を張った。

 チームは10節目で第2ステージ初勝利。J1通算350勝と新たな歴史も刻んだ。さらに因縁の福岡から白星を挙げ、目標のJ1残留へ大きな勝ち点3を得た。【保坂恭子】