東京がオランダ1部フィテッセに所属する日本代表DF太田宏介(29)の獲得に動いていることが27日、分かった。複数の関係者によると1年間の期限付き移籍による獲得を目指し、すでに正式オファーを出している。今後はクラブ間でレンタル料の交渉をした上で、本人の決断を待つことになる。名古屋の永井と川崎Fの大久保のダブルFWどりに続く大型補強で、着実に強化を進める。

 太田は昨季まで4年間所属した古巣への愛着は強い。昨季、東京を離れる際には涙を流しながら、「戻ってくるときは東京」と宣言している。昨冬にフィテッセへ移籍後、左サイドバックのレギュラーに定着し、正確な左足を武器にアシストもマーク。持ち前の明るい性格でチームにも溶け込んでいた。

 しかし、今夏から就任したフレーザー監督がセンターバック4人をDFラインに並べる戦術を採用し、出番を失った。リーグ戦出場は5試合、先発は2試合にとどまっている。日本代表では9月から始まったW杯アジア最終予選メンバーに選出されながらも、起用はない。日本代表のハリルホジッチ監督も出場機会を懸念しており、東京への2季ぶりの復帰も選択肢に入ってくる。

 一方で、太田は欧州で活躍するという夢を捨てていない。フィテッセとは20年夏までの長期契約を結んでいる。東京に悲願のリーグタイトルを置き土産にし、欧州に再挑戦しても決して遠回りではない。