名古屋の8年目MF磯村亮太(25)が18日、チームの未来へ危機感を募らせた。愛知・豊田市内のクラブハウスで契約更改交渉。「来季は白紙だけれど(名古屋に)いる、いないに関係なく、いい方向に進んでもらいたい」と育成年代から在籍するクラブへの思いを語った。

 今季は16試合に出場し、うち10試合が先発。交渉の席ではまず「社員の方も熱い人が多い。もしかしたら選手以上に落胆している方もいるかもしれない。こういう結果を招いてすみませんでした」と頭を下げたという。その上でクラブ側と意見交換を行い、終了後に「みんな鼻で笑うかもしれないけれど、J3に行かないか心配しないといけないと思う」と現状を分析した。

 磯村はDF闘莉王ら多くの選手を契約解除した責任者から、選手への説明が全くないことを疑問視する。「編成した人が(選手に)話さないと納得いかない。選手に何も説明なく来年このまま迎えても、クラブ、サポーターと1つになって戦えるのかが疑問」と熱い思いを口にした。

 何より磯村自身が、中学入学時から名古屋ジュニアユースでプレーし「Jリーガーになりたいというより、このチームのエンブレムを付けたくてやってきた」と振り返る。「選手も人間。お金も大事だけれど、僕は誠意というか、必要とされていると思うところでやりたい」。J3降格という刺激的なワードには、名古屋に愛着を持つ男の危機感が詰まっている。