J2札幌MF小野伸二(37)が来季、札幌でプレーする意思を固めたことが23日、分かった。クラブでは既に契約延長オファーを出しており、シーズン終了を待ち決断した。北海道に来て4年目となる来季、天才が赤黒のユニホームを着て、清水時代の12年以来5シーズンぶりに、J1の舞台に戻ってくる。

 じっくり考え、心を固めた。小野はシーズン中から一貫して「札幌を最優先に考えているが、最終的な判断はシーズンが終わってから考えたい」と話してきた通り、昇格を決めた20日金沢戦後に頭を整理し、意思を固めた。26日までに日程を調整し、代理人を挟み、正式にクラブ側に伝える。昨季は移籍初得点、2戦連発と結果を出すも、今季は股関節痛に苦しみ出場15試合、計274分にとどまった。この悔しさは来季、J1で晴らす。

 チームにとっても世界を知る44番の残留は、大きなプラス要素だ。練習では毎日、最年長のMF河合とそろって真っ先にグラウンドに出る。若手の仕事であるゴール運びを買って出ることもあった。チームを勢いづけるために、自分に何が出来るか。出番が少なくとも、背中で教える姿勢は、絆を固める力になった。昇格へのキーワードとして小野が強調していた「一体感」も、最後は選手全員の合言葉になった。

 得点源のFW内村、都倉、ブラジル人トリオに加え、小野、稲本の元代表コンビも残留が決定。鹿島からオファーを受けていたGKクも残り、チーム最多10アシストのDF福森は川崎Fから完全移籍で獲得する。主軸の流出は阻止。土台を固めた次は、約11億円に増やす補強費を投下し、新戦力で肉付けしていく。