新布陣「3-4-3」での守備がベールを脱いだ。仙台は29日、2次キャンプ(宮崎・延岡)2日目の練習で攻守に分かれ、11対11のゲームを行った。守備側の最終ラインは、3バックに加えてウイングバックの2人が下がって5バックを形成。渡辺晋監督(43)は「やられないと思う」と実感を込めた。

 渡辺監督はオフから3バックを試している。3バックの中央の選手は、昨季不動のセンターバックだった渡部博文(29=神戸)のような統率力にたけた選手だと考えていた。だが昨年末の英独2カ国の視察を経て、別の考えも生まれた。3バックを用いる独1部ドルトムントの試合を見て、「攻撃も守備も安定していなかった」。3バックはカウンターが弱点になると、オフの練習試合で感じていた。海外クラブの試合を見て確信に変わった。

 そこで、昨季右サイドバックのレギュラーだったDF大岩一貴(27)に注目。「瞬間的に1対1になった際に、スピードでも強さでも勝てるのは(大岩)一貴なんだ」。DF増嶋竜也(31)平岡康裕(30)の統率力も魅力だが、カウンターを受けても大岩なら止められるかもしれない-。この日3バックの中央でもプレーした大岩は「いいイメージはできた」と手応えをつかんだ。

 渡辺監督は、大岩の対人能力とスピードを「チーム随一」と再確認。31日のJ2大分との練習試合でも、自陣内の守備時はこの日のように「5-4-1」で臨むという。理想の守備構築に、間違いなく近づいている。【秋吉裕介】