磐田がJ3北九州に1-0で勝利した。前半42分、FW小川航基(19)のアシストでMF荒木大吾(22)が先制点を決め、1点を守りきった。元日本代表MF中村俊輔(38)、FW川又堅碁(27)らが出場しなかった試合で、今シーズンの飛躍を狙うヤングジュビロが、アピールに成功した。ニューイヤー杯優勝をかけて、次節の最終節J3鹿児島戦(11日)に臨む。

 ヤングジュビロの勝利への執念が実った。前半42分、ボランチMF松浦拓弥(28)のパスを、小川航が相手DFを背負い、倒れ込みながら左足でヒールパス。ゴール前に走り込んでいた荒木がダイレクトで右足を振り抜いたシュートは、北九州GK山岸範宏(38)の足に当たり、そのままゴールネットを揺らした。

 笑顔で小川航らとハイタッチを交わした荒木は「航基が(パスを)出すと思った。きれいではなかったけど、決められてよかった」と振り返った。普段、若手選手の居残り練習に必ず参加している名波浩監督(44)は「彼らはいつも(得点パターンの)練習をしている。練習の成果が出た、と言うと調子に乗るから、言わないけどね」と厳しい言葉ながら、口元には笑みが広がっていた。

 ベンチで試合を見守った中村俊の期待にも応えた。新加入の元日本代表は、荒木を気に掛けており「もっとダイナミックにプレーしていい」と潜在能力に期待を寄せている。横浜時代に好連係を築いていたMF斎藤学(26)を引き合いに、「もっとドリブルで中に入るプレーを増やしたら」とアドバイスを受けたという。大卒2年目の荒木は「まだ俊さんに認められるところまで行ってないので、これから成功体験を増やしていきたい」と今シーズンを見据える。

 新加入のMF針谷(はりがや)岳晃(18)はトップ下で先発した。小柄ながら、リズムよくパスをさばいて存在感を発揮。「だんだんと自分が思ったプレーができた。楽しかった」と手応えをつかんだ。チームは、優勝をかけて次節の鹿児島戦に臨む。決勝点をアシストした小川航は「次の試合は(自分が)絶対にゴールを取ります」と宣言。頼もしい若手が、チームを支える。【保坂恭子】