唯一の広島キラーに任せろ。ベガルタ仙台は今日22日にアウェーでサンフレッチェ広島と対戦する。J1再昇格の10年以降、リーグ戦は1勝4分け9敗と苦手の相手。また、仙台在籍時に広島から得点を挙げた選手は、J2時の08年に2得点を挙げたMF菅井直樹(32)のみ。菅井は21日のミニゲームでは主力組の右ウイングバック(WB)でプレーし、先発出場が濃厚。得点に意欲を見せるベテランを、若手のDF永戸勝也(22)とMF佐々木匠(19)が後押しする。

 仙台一筋15年目の男は、静かに切り出した。「アウェーで勝ち点を取って帰ってくるのが目標。チームみんなで勝ち取りたい」。リーグ戦3連敗で迎える、苦手との負けられない一戦。J2での08年の広島戦は2戦2分け。菅井が全得点をたたき出した。記憶はあまりないというが「(ゴールへ)頑張ります」と、うなずいた。

 今季は右WBでリーグ全試合出場中だ。リーグワースト3位の4得点と、深刻な得点力不足に悩むチームを変えてみせる。「高い位置を取らないと、(チームに)点が入らない」。32歳のベテランは、衰えぬ全力疾走を約束した。

 勝負師の背中を見て、若手も黙っていられない。同じ右サイドで、ルヴァン杯磐田戦(12日)でプロ初ゴールを菅井にお膳立てされた佐々木は、練習後に2人で話し合った。「菅井さんは縦の動きが特徴で、それが得点に繋がっているけど『中に入って来てほしい』と話した。菅井さんの得点も増えてくると思う」。同じシステムの広島とはミラーゲームになる。縦のみだと、1対1の状況になりやすい。それをずらす狙いだ。菅井も理解したという。

 左WBの永戸は「僕のクロスからアシストします」と誓った。菅井以外に仙台在籍中に得点を挙げた選手がいないことを伝えると、「ならアシストもゴールも取ります」と頼もしい。ベガルタ最古参、菅井を中心に鬼門の一戦を乗り越える。【秋吉裕介】