地方クラブの偉業が、麻生太郎首相(68)の心も奪った。ナビスコ杯初優勝を飾った大分の事務所に2日、首相から祝電が届いた。「地方の元気が日本の元気をつくります。私は、そう信じています。今回の快挙に、敬意と感謝の意を表します」。商業圏が大きくない地方からの快挙をたたえるものだった。

 異例の祝電だ。関係者によると、首相がプロ野球やJリーグなどの優勝クラブに祝電を送ることはめったにないという。電報を手にした溝畑宏社長(48)は「日本が求めていた地域の活性化につながる。私たちの経営理念が間違っていなかった。チームだけでなく、サポーター、スポンサー、クラブを愛するすべての人に送られたものだと思います」と話した。

 そのほかにもクラブ事務所には、60通を超える電報や花が届いた。シャムスカ監督や選手、スタッフは羽田空港発の航空機で昼すぎに凱旋(がいせん)。機内でもお祝いアナウンスが流れ、大分空港では200人を越える県民が出迎えた。「(5日の)天皇杯に気持ちを切り替えるのが難しいですね」とMF鈴木。大分市内の商業施設では優勝セールも始まり、県内はお祝いムード。トリニータの優勝で大分県が元気づいた。【村田義治】