<JFL:ホンダFC2-0FC琉球>◇後期第14節◇9日◇沖縄市陸上競技場

 ホンダFCが2年ぶりにJFLを制覇した。アウェーでのFC琉球戦で、2-0の勝利。昨季、コーチから昇格した石橋真和監督(37)が、監督として2年目を迎え、チームを優勝に導いた。前半は天候とピッチに苦しんだが、後半35分にDF牧野泰直(23)が先制点を決めると、同43分にはエースFW新田純也(30)がPKを落ち着いて決めた。チームは3試合を残しながら、4度目の栄冠に輝いた。

 ホンダFCが、ホームからは遠く離れた沖縄で、2年ぶりの優勝を決めた。FC琉球との雨中の接戦を制すと、選手らは泥のついた顔を「ウオーターファイト」で洗い流した。監督として2年目を迎えた石橋監督は「去年前半で出遅れて、いいスタートが切れず優勝できなかった。その悔しさの分うれしかった。2年間積み重ねたことを出すことができた」と、これまでの苦労をかみしめた。

 連敗することなく、3試合を残して2位栃木SCに勝ち点11差をつけての圧倒的V。それでも、決して楽なシーズンではなかった。昨季5位に終わったが、天皇杯でJクラブを3連続撃破。「去年の天皇杯での戦いがベースになって、今季迎えることができた」と、満を持して臨んだ。白星を積み重ねたが、ある選手が「慢心もあった」というように、J2鳥栖との天皇杯3回戦で0-4と、その鼻をへし折られた。「あそこでもう1度何が足りないか確認できた」(同監督)。敗戦から学び、怒とうの7連勝でVにつなげた。

 重圧もあった。「優勝争いをしないといけないチームとして、社内外で見られている。今季(優勝という)結果を残さないといけない、というのはあった」。負けはしないが、納得のいかない時期もあった。考えすぎて、一時は眠れない夜も続いたが、この日ばかりは眠れそうだ。

 「優勝の1番の功労者は?」と、聞かれ「難しい。1人だけは挙げられない」と、答えた。この日はメンバー外の選手も当日、沖縄入り。わずかながらだが、サポーターもはるばる駆けつけた。全員で戦ったシーズンで、全員で勝ち取った優勝だった。【栗田成芳】