コンサドーレ札幌の高校生Jリーガーが、第1歩を踏み出した。12日、熊本市内で札幌の2次キャンプが始まった。グアム1次キャンプは学業優先で不参加だったMF古田寛幸(17=札幌厚別高2年)が初合流し、フルメニューをこなした。クラブで初めて高校生でトップチームに加入した逸材は、プロでの飛躍を期している。

 高校2年とは思えない古田の落ち着きぶりだった。ボール回しでは巧みな技術で先輩と互角に戦い、何度も笑顔をのぞかせた。トップチームとの初練習にも、臆(おく)するところはない。「最初はちょっと不安はあったけど楽しかったです」と合流初日を振り返った。

 クラブ史上初めて高校生でトップチームに加わった。現在は札幌市内の道立校に通うが、サッカーに専念するため、新学期からは通信制校に編入する。単位修得のためグアムキャンプは不参加だったが、練習内容を映像で確認しての熊本入り。「練習はきついけど、雰囲気も楽しそうで、いいチームだなと思いました」。遅れを取り戻す準備はできている。

 27選手で51試合を乗り切る今季。石崎信弘監督(50)は「27人のうちの1人。チームのやろうとしていることを早く身に着けてもらわないと」ともちろん戦力として計算している。古田も自覚している。「トップチーム入りが最後の頂点じゃないから。ここをスタートにして、トップで頑張れるように、ひたすらアピールしていきたい」と意欲をみせた。

 期末試験があるため、18日に1度チームを離れる。熊本にも勉強道具を持ち込み“最後の戦い”に備えるが、その後はサッカー漬けの日々が始まる。「当たり前のことをしないと生きていけないから。まずは先輩についていけるようにしたい」。ジュニアユースからユースへの昇格が決まった中3時から意識していたトップチーム入り。つかんだチャンス、1日1日を無駄にしない。【砂田秀人】