浦和にJリーグ初となるクラブ公認のOB選手会が発足することが6日、明らかになった。浦和でプレーした水内猛氏(36)と西野努氏(38)、昨季限りで現役引退した内舘秀樹氏(35)の3氏が発起人となって、「浦和レッズOB会」(仮称)を設立する準備を進めている。地域貢献をはじめ、引退する選手のサポートなどを目的とし、将来的には法人化する方針だ。今月18日、さいたま市内で初の総会を行い、本格的な活動をスタートさせる。

 浦和の元選手たちが「生涯レッズ愛」を掲げて結束する。昨年11月、キャスターの水内氏とビジネスコンサルタントなどで活動する西野氏が「OBで地域貢献や選手の支援をしたい」とOB会設立を決意。昨季で現役引退し、浦和スタッフとなった内舘氏も加わり、クラブ側の公認も取り付けた。水内氏は「(浦和)藤口社長に『OB会があった方がいい』と言ってもらえた。10年後、20年後も続く組織にしたい」と説明。また三菱自動車サッカー部OB会関係者にも理解と協力をお願いしたという。

 入会資格などの規約は完成していないが、プロ化された92年以降に在籍した選手ならば全員に門戸を開放する。レンタル移籍など短期間だけ在籍した選手に対しても「本人が活動に賛同してもらえるならば歓迎します」(水内氏)。OB総数は200人以上にも上るが、既に50人分の設立賛同の署名を受け取っている。今月18日に初の総会を開き、元選手にOB会合発足にあたっての説明を行う。

 主な活動目的は地域貢献や引退する選手のサポートになる。チャリティー行事をはじめ、クラブと一体となったサッカースクール開催、学校への講演活動などを考えており、地域やサポーターとの触れ合いの機会を積極的に設ける考えだ。また選手に対してセカンドキャリアのアドバイスや引退試合の開催をバックアップする。その第1弾として内舘氏の引退試合を行う予定で、活動の幅を広げるためにOB会を法人化する方針だ。水内氏は「内舘氏の試合には、同様に昨季引退した選手も招いて花道にできればと考えています」とのプランも明かした。

 水内氏は「この動きを受けて他のクラブにもOB会ができるとうれしいです」と期待する。他Jクラブに先駆けて発足する浦和OB会の活動が、今後のモデルケースとなりそうだ。