<J1:川崎F1-1清水>◇第24節◇30日◇等々力

 惜しかった!

 前節まで3位の清水が、2位川崎Fとの直接対決で1-1と引き分けた。後半32分にDF岩下敬輔(22)のヘディング弾で先制。だが、試合終了間際のロスタイムにセットプレーから失点し、痛恨のドローとなってしまった。今季2度目の3連勝を逃し、アウェーでの連勝も4でストップ。2点差以上の勝利なら2位浮上だったが、逆に総得点の数で広島に抜かれ、4位に後退した。

 手中の勝ち点「3」が、最後の最後にこぼれ落ちた。1点リードでロスタイム表示は3分。2位川崎F撃破は目前だった。集中力を欠いたわけではない。だが、FKから同点弾を許した。無念の1-1。長谷川監督は「あそこで守りに入らず、もう1点狙いにいってほしかった。試合の展開からすれば…」と悔やんだ。

 先制点にはチームの結束力が詰まっていた。後半32分、相手キーマンのMF中村のボールをMFパウロが奪うと、右サイドを攻め上がったDF市川にパス。狙いすました右クロスをファーサイドで待ちうけたDF岩下が頭でたたきつけ、ついに相手の牙城を崩した。

 今季本拠地では11戦無敗(8勝3分け)の川崎Fを前半から攻め立てた。前半5分、右サイドを突破したDF市川のクロスにFW岡崎がダイビングヘッドを放つなど、何度もビッグチャンスをつくった。しかし、いずれも日本代表GK川島に阻まれ1点だけにとどまったことが、最後に響いた。勝てなかった。だが、ハーフタイムで長谷川監督が選手に叫んだ「あと一押し!」という熱い指示は、逆転優勝を目指す終盤戦で、きっと生きる。【為田聡史】