<J1:川崎F2-1清水>◇第33節◇24日◇等々力

 清水のMF小林大悟(29)が、13戦ぶりとなる先発のピッチで思う存分躍動した。前半17分、FW大前元紀(22)のCKを受けると、ワントラップから右足を振り抜いた。続く同24分には、ゴール前のこぼれ球に今度はダイレクトで合わせた。いずれもポストに嫌われたが、序盤から川崎Fゴールを脅かした。持ち味のラストパスでも、序盤から好機を何度も演出。ここ2戦でPKの1得点のみと低迷する攻撃陣をけん引した。

 背番号「10」を背負うベテランが「勝ち点3」への強い意志を示すと、若手も続いた。1点を追う後半8分、左サイドでボールを受けたFW高木俊幸(21)が相手DFをかわして右足一閃(いっせん)。ボールはブロックをはじきゴールの中に転がった。スタンドに応援に駆けつけたプロ野球DeNAコーチの父豊氏(54)の前で、9戦ぶりとなる貴重な同点弾を決めた。

 しかし、2連敗中の清水には、またしても勝利の女神はほほ笑まなかった。同29分、FKから痛恨の決勝点を許した。その後、FW金賢聖(23)やFW高原直泰(33)と攻撃的な選手を次々に投入したが、結果には結びつかないまま90分間が終わった。

 決めれば公式戦10戦全勝を誇ってきた高木のゴールも空砲に終わり、今季初の3連敗で順位は9位に後退。3位鳥栖との勝ち点差は5となり、アジア・チャンピオンズリーグ出場の可能性が消滅した。【前田和哉】