今季初先発が濃厚なFW中島裕希(26)、MF田村直也(26)が、仙台史上初の「90分以内4連勝」「2節以上の首位キープ」を後押しする。前節福岡戦で左足首を痛めたFW赤嶺真吾(27)が明日7日のC大阪戦(午後7時=金鳥スタ)を欠場。5日の紅白戦(宮城・大和町ダイナヒルズ運動公園)では中島がトップを担った。昨季は1得点に終わり、今季に懸ける思いは強い。田村は、前節退場したDF朴柱成(27)の穴を埋める。

 2人は鬼気迫る表情で紅白戦に挑んだ。2本目、中島はGKと接触しながらも足の力で押し切りボールをキープ。そのままゴールへ押し込んだ。左サイドバックに入った田村もピッチを激走。オーバーラップを繰り返した。勢いが余り、コーナーフラッグに激突する場面もあった。

 今季中島は開幕の広島戦、再開戦となった川崎F戦、そして前節の福岡戦は全て途中出場。先発は今季初となる。だが「赤嶺の代役」という思いはない。「誰が出てもベガルタが強いというところを見せたい」。

 田村は前節、今季初出場。後半39分、朴が2枚目のイエローカードで退場するアクシデントを受けて出場、ハッスルプレーを連発した。左サイドバックにもかかわらず、GKと1対1になる場面を作るなど貢献。この日のコメントも力強かった。

 田村

 自分が一番フレッシュ(体力が残っている)。よい準備をしてガツっとやっていきたい。そして退場しない。早い段階でイエロー(カード)をもらうと、ああいうことになりかねない。

 相手の挑発に乗ってしまった朴を、自分への教訓ともした。

 7日のC大阪戦に勝てば無条件で首位をキープできる。昨季2節で一時首位となったが次節には6位となった。今回、首位をキープすれば仙台史上初の2節以上首位となる。さらに90分以内の4連勝も史上初。02年に5連勝を果たしたが、4戦目はVゴール勝ちだった。仙台のJ1としての歴史を塗り替える試合となる。手倉森監督は「誰も浮かれていない。上位に居続けることが東北に勇気を与える」。震災後、言い続けた「全員がメンバー」。中島も田村も、その気持ちで戦う。【三須一紀】