J2山形奥野僚右監督(43)が「リスクマネジメント能力」の高さを示した。いよいよ千葉との開幕戦ウイーク。28日、練習場の宮崎市・エントランスプラザは大雨に見舞われた。決戦の日、3月4日の千葉市中央区の天気予報は曇りのち雨(28日午後6時現在)。この日は「雨から学ぶこともある」と、水分を含んだピッチでのボール回しにも時間を割いた。

 雨対策だけではない。アップもそこそこに行った紅白戦では、通常の11対11だけではなく、数人を外して数的有利・不利の状況をつくった。「退場者もそうだけど、例えば靴が脱げたり、水を飲みに行ったりすることもあるでしょう」。そこまでは…そう思わせるほど非常にレアなアクシデントにも策を講じた。

 自信の発言には“天をも恐れぬ所業”で信ぴょう性を持たせた。練習後の監督会見は、豪雨を避けるためにピッチ脇のテントで行った。数問に答え、最後に「今日はあらゆる事態を想定した練習です」と締めた直後、狙ったかのように天気が回復。「ほらやんだ!

 開幕戦の予行演習になったでしょ」。天候も勝敗も操ってしまいそうな、不敵な笑みを浮かべていた。【湯浅知彦】