<J1:G大阪1-2横浜>◇第18節◇14日◇万博

 ロンドンも頼むぞ!

 五輪代表の横浜MF斎藤学(22)が、後半ロスタイムに体ごと押し込む、執念の決勝ゴール。G大阪を破り五輪へ弾みをつけた。

 痛っ、痛い…。喜びより、体の痛みの方が上回った。同点で迎えた長い、長い後半ロスタイム。奇跡の扉を開いたのは、五輪代表の斎藤だった。カウンターの応戦でゴール前へ走り込み、先輩大黒が放ったシュートのこぼれ球を、体ごと押し込んだ。上半身を強打し、うずくまっていると、その上に興奮した仲間が何人も覆いかぶさってきた。後半49分の劇的決勝弾。痛みの後に、快感が体中を巡った。

 「(大黒の)切り返しがすごかったので(GKが)はじくかなと思いました。最後に点が取れたので、良かった。点を取って(五輪に)行けることが、やっぱりいいですから。(五輪でも)やれるという自信は持っています」

 五輪代表では清武、宇佐美らと定位置を争う。横浜では先発の座をつかんではいるが、代表は終盤に流れを変えるスーパーサブ的な立場だ。集中力を切らさず、最後まで得点を狙い続ける。体力の消耗が激しい夏場の敵地戦。90分を過ぎても、走り続けた結果が勝利に結びついた。同じような仕事は、間もなく開幕する五輪本戦でも求められる。

 「本当は最初から試合に出るのが一番だと思うんです。でも仮に途中からでも役目はあるはず。途中から出る難しさも分かっているつもりです」

 この日、左足首捻挫から復帰した元日本代表のMF中村にも、世界と戦う心構えを日々、教わっている。そして得点の起点となった大黒もかつてスーパーサブとして日本を救った経験がある。多くの先輩の背中を見つめながら成長してきた。いよいよロンドンで、力を見せる時がくる。【益子浩一】