<J1:仙台2-2横浜>◇第20節◇4日◇ユアスタ
執念ドローで首位奪還だ。仙台が横浜相手に土壇場で追いついて勝ち点1を拾った。後半14分、MF梁勇基(30)のCKに合わせたDF内山俊彦(33)の今季初ゴールで先制したが、その後立て続けに失点。それでも後半42分、FWウイルソン(27)が同点PKを流し込んで追いついた。勝ち点と得失点差で並んでいた広島が清水に敗れたため、2節ぶりに首位浮上。次こそは勝ち点3を奪い、独走態勢に入る。
痛恨のホーム逆転負けという危機を、ウイルソンが救った。1点ビハインド、後半40分を過ぎたところ。ペナルティーエリア内の突進でファウルを誘い、PKをゲット。同点を信じて疑わないスタジアムの異様な雰囲気など意に介さず、助走で軽やかにステップを踏む。右足を振ったボールは横浜GK飯倉の逆を突き、ゴール左隅へ吸い込まれた。
リーグ最少失点を誇る横浜の牙城を崩し、先制するまでは完璧だった。公式戦2試合連続で前半に先制を許していた反省を生かし、前半の入り方を修正。手堅く入ろうとして全体が引けば、相手にスペースを与える。立ち上がりから積極的に攻めることで全体を押し上げ、失点のリスクを減らした。
そして、後半14分には左CKから梁が正確無比の右足を発動。中央の内山にピタリと合わせた。「ただクロスを上げるだけじゃ意味がない。速いボールだったりいろいろ工夫していかないと」。試合前日、チームが得意とするサイド攻撃について話していた。セットプレーでも前半からさまざまなボールを蹴って相手を惑わし、ここ一番のピンポイントクロスでリーグ初スタメンだった内山の今季初ゴールを演出した。
しかし、ちょうど1年前、急性心筋梗塞で死去した元日本代表DF松田直樹さん(享年34)の思いを背負って戦う横浜の気迫に押されたのか。今季初めて、ユアスタで逆転負けを喫する寸前だった。1点リードの後半20分、横浜MF中村に左足でビューティフルゴールを決められると、流れが一変。25分には左サイドからのクロスに対し、ファーサイドのDF金井をフリーにする痛恨のミス。ダイビングヘッドで2点目を献上した。それでも、だ。3試合ぶりの勝ち点3はならなかったが、負けなかった。この粘りがあればこその首位再浮上だった。【亀山泰宏】



