東京が元スペイン代表FWラウル・ゴンザレス(35=アルサド)の獲得に動いていることが20日、分かった。東京の幹部は「こちらでやりたいという意向は聞いている。うまくまとまれば(獲得)できると思う」と明かした。FWを最優先に補強を進めてきたが、近年のJリーグでは珍しいビッグネームが入団する可能性が出てきた。

 現在カタールリーグに所属するラウルに対し、すでに水面下で調査を進めており、年俸と移籍金を把握。本人の意思確認を行っている状況だ。獲得資金は、鹿島入りするFWダビ獲得に準備していた資金を充てる。また、欧州クラブに所属する選手の場合は移籍市場の期限が今月末まで。東京はFW李忠成(サウサンプトン)もリストアップしているが、時間が足りない。だがカタールにこの期限は適用されない。Jリーグの市場が閉じる3月末まで、交渉期間は十分ある。

 「スペインの至宝」と呼ばれたラウルは、スペイン代表、そして名門Rマドリードのエースとして数々の名声を得てきた。03年8月には、東京と親善試合で対戦した経験もある。10年夏に日本代表DF内田が所属するドイツのシャルケに移籍し、昨夏アルサドへ1年契約で加入。日本のサッカーについては内田から聞くなど、縁もある。現在の契約はあと半年残しており、期限付き移籍か完全移籍かは交渉次第となるが、加入すれば得点力とともに集客力も得ることができる。

 同幹部は3月2日のJリーグ開幕に間に合わせるため、準備期間などを考慮した上で「2次キャンプでの合流でもいい」と話し、宮崎キャンプ(2月12~19日)をメドに交渉を進めていく。

 ◆ラウル・ゴンザレス

 1977年6月27日、スペイン・マドリード生まれ。92年Rマドリードの下部組織入り。94年に17歳4カ月でトップデビュー。10-11年シーズンからシャルケに移籍。12年夏にカタール・アルサドへ。欧州CL通算71ゴールは歴代最多。Rマドリードで323ゴールはクラブ史上最多。スペイン代表通算44得点は史上2位、代表出場102試合はスペイン史上3位。178センチ、74キロ。