秘策に手応えありだ。仙台が16日、蔚山現代(韓国)との練習試合でアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を見据えた新システム「4-1-2-3」をテストした。昨季のACL王者に1-2で敗れはしたが、FW武藤雄樹(24)が後半11分に一時同点となるゴール。中央は高さ、両サイドは速さをコンセプトに組んだ3トップが結果を出した。午後にはJ2札幌とも練習試合を行い、0-1で敗れた。
藤村のスルーパスに反応した武藤は冷静だった。飛び出したGKをあざ笑うようにフワリと浮かせ、左サイドネットへ優しく届けた。「昨日、YouTubeでメッシのループシュートを見ておいて良かった。イメージができてました」とニンマリ。守備の連係ミスが失点につながるなどして試合には敗れ「悔しい。自分がもう1点取っていれば」と言いつつも、表情は明るい。それこそ、新布陣にメドが立った証拠だった。
この日はジオゴをアンカーに据え、奥埜と藤村を2列目に配置。3トップはヘディングの強い赤嶺に佐々木と武藤の快足コンビで形成した。一瞬のスピードで裏に抜け出せる2人が高いポジションに張ってDFラインを押し下げながら、ボールを収める赤嶺の周りを動いて守備をかく乱。ACL王者相手に何度も決定機を作り、手倉森監督は「可能性を見いだせた。3トップの方が、今やろうとしている戦術は表現しやすい」と満足げだった。
同監督が「アジアのDFはスピード、機動力があるタイプに弱いから」と話すように、ACLを勝ち抜くための試み。中国の陝西宝栄時代は3トップでプレーしていたウイルソン、正確無比なクロスを誇る太田と人選次第でさらなる可能性も広がる。赤嶺も「ヨシ(太田)ならクロスが増えると思うし、ウイルソンとかヨンギさん(梁)とか、それぞれの特徴を生かせればいい」とうなずく。26日のホーム・ブリラム(タイ)戦から始まる未知の舞台へ、強力な武器を手に入れた。【亀山泰宏】



