<J1:浦和6-2鳥栖>◇第12節◇18日◇埼玉

 浦和FW興梠慎三(26)が圧勝を呼び込んだ。2試合連続ゴールで勝利に導いた。2-1と1点差に詰め寄られた後半20分、MF平川のクロスを頭で合わせ3点目のゴール。体をぶつけてきた相手DFを背負いながら、空中でバランスを崩さず頭を振り切った。「それまでチャンスを外していたし、決められて良かった」とわずかに笑みを浮かべた。

 浦和攻撃陣を引っ張った。前半、阿部が決めたPKを得たのは興梠のドリブル突破だった。チーム4点目は中でおとりになって原口の追加点を「アシスト」した。さらに5点目の那須のゴールは、森脇のパスを受けた興梠のクロスから生まれたもの。真ん中で待つだけでなく、裏に飛び出し、サイドに開きボールを呼び込んだ。6選手が1点ずつを取っての快勝だったが、その中心に興梠がいたのは間違いない。

 前節の鹿島戦では決勝点となった2点目を奪った。後日Jリーグが誤審と認めたように、審判がオフサイドを見逃したものだった。20周年記念試合で決めたゴールよりも、判定が注目を集めた。「自分は何も悪いことはしていない。主審も間違えることはある。終わったことは仕方ない。自分としては切り替えてやれている。アウェー(の鹿島戦)で気持ちよく決めたい」。この日のチーム3点目は、文句なしの決勝点だった。浦和はACLがあったため中断まで残り2試合。状況はさらに上向きそうだ。【高橋悟史】