柏が世界有数の監督を倒してアジアの頂点へ突き進む。明日25日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦で激突する広州恒大(中国)を率いるのはマルチェロ・リッピ監督(65)。イタリア代表を指揮して06年W杯ドイツ大会を制し、ユベントスでは欧州CL、トヨタ杯に勝利。代表、クラブの両方で世界一となった名将だ。

 名前負けしそうな相手だが、工藤壮人(23)田中順也(26)のFWコンビに気後れするところはない。22日のC大阪戦後、工藤は「たくさんのことを経験した手腕は怖い存在ではあるけど、葉巻を吸っているイメージしかない(笑い)」。田中も「昔からユベントスにも興味はなかったし、そんなに分からないです」と関心のないそぶりだった。

 イタリア人監督らしく敵を研究し、良さを消すのを得意とするリッピ監督だが、柏ネルシーニョ監督(63)も相手によって頻繁にシステムを変更する策士。劣勢が予想された準々決勝第2戦・アルシャバブ戦では普段と違う4-1-4-1を採用し、中盤を厚くして守備で相手を“ハメた”。

 工藤は「ウチの監督だって、選手はみんな尊敬してやっている」と、敵将に負けていないと主張。昨季ACL1次リーグで1敗1分けの強豪にも恐れず立ち向かうことを誓った。【千葉修宏】