J2札幌MF荒野拓馬(20)が4日、U-21代表の手倉森誠監督(46)から今季の成長と16年リオデジャネイロ五輪に向けた3つの宿題を出された。同監督はこの日、熊本合宿を視察。荒野ら札幌若手戦力の動きをチェックした。1月のU-21アジア選手権4試合に出場した荒野の能力を絶賛し、進化のポイントとして(1)得点へのこだわり(2)ボランチの兼務(3)国を背負う責任感の3点を挙げ、飛躍を期待した。

 荒野が、2年後の大舞台出場へ、代表指揮官から明確なノルマを与えられた。4日午前、熊本市内のグラウンドを訪れた手倉森監督は1時間半、険しい表情で荒野の動きをチェック。同監督はまず「シュートセンスなど非凡なものがあるが、今季はさらに得点にこだわれ。ゴールへのギラギラしたものを出してほしい」と挙げた。1月のU-22アジア選手権は4試合無得点。フィニッシュ精度向上が最優先事項となる。

 次は複数ポジションへの対応力。札幌や代表では主にトップ下、サイドハーフでプレーしているが、本職はボランチだった。「五輪予選を考えるとトップ下やFWだけでなくボランチもこなせるのがベスト」。リオデジャネイロ五輪の予選を兼ねる15年U-22アジア選手権は、ホームアンドアウェーではなく、敵地でのセントラル開催。「18人で戦うとなれば、多くの場所をこなせることが重要になる」と、短期集中決戦に応えられる万能性を求めた。

 最後はメンタル面で「練習から日の丸を背負う意識を持つこと。戦術や技術だけでは勝てない。イラクにも、そこが劣っていた」と言った。U-22アジア選手権は、準々決勝で敗れ目標の4強に届かなかった。土俵際で勝利を引き寄せられる気持ちの強さを、日ごろから培うよう提言した。

 代表監督直々の助言に荒野は「しっかり頭に入れて今季やっていきたい。どこで出ても点に絡めるプレーを意識したい」と言った。同世代の次の舞台は9月に韓国で行われるアジア競技大会。まず熊本で定位置を奪取し、リーグでアピールを続けることが、再招集への道となる。【永野高輔】