<J1:甲府0-1徳島>◇第10節◇29日◇中銀スタ

 現行の90分間制でワーストに並ぶ開幕9連敗を喫した徳島が、四国勢のJ1初勝利をもぎ取った。後半28分、唯一の決定機をものにした。DF橋内優也(26)がインターセプトして右にはたき、ゴール前へ。こぼれ球に前節で負傷して4針縫った右足を伸ばした。

 「傷が開いても、また縫えばいい」と腹を据えて打つと、狙いと逆の右に飛ぶ。執念が宿った一発は、GKの意表も突いてネットを揺すった。

 その橋内は終盤、涙を抑えるのに必死。「僕のミスで負けた試合もあった。苦しかった。あと少しで勝てると思うと、こみ上げてきた」。まだ終わっていないと言い聞かせ、涙腺の緩みと猛攻に耐えた。小林監督は「思った以上に厳しい初勝利」と吐露した。

 ▼シュート2本で勝利

 徳島がシュート2本ながら甲府に1-0で勝ち、開幕からの連敗を9でストップした。わずか2本での勝利はJ1史上7度目の珍ケース。これまで2本に終わったチームは通算6勝2分け23敗と当然ながら大きく負け越していた。1本は0勝2分け8敗。0本は1度だけで、山形が09年11月8日の鹿島戦で記録。もちろん0-2で敗れている。