<J1:東京4-0清水>◇第18節◇2日◇味スタ

 清水大榎克己監督(49)の船出は、厳しいものとなった。清水一筋だった現役最後の試合、02年11月30日の神戸戦以来4263日ぶりとなるJリーグのピッチで待っていたのは、4失点の完敗だった。「前半で3失点すると勝つことはできない」。試合後はベンチに座ったまま、しばらくピッチを見つめるしかなかった。

 7月30日の就任から4日目で迎えた初陣。「自分の色を出しすぎると選手の混乱を招く恐れがあり、得策ではない」とゴトビ前監督の最後の試合だった前節柏戦からシステムも、メンバーも代えずに臨んだ。3日間の準備期間では、DFラインの修正に集中した。

 しかし、時間はあまりにも短かった。前半15分、クリアミスから先制を許すと守備陣が崩壊し、前半だけで3失点。後半13分にはカウンターから決定的な4点目を奪われて力尽きた。大榎監督は「DFラインのコントロール、(ボールへの)寄せの甘さを感じた」と、淡々と振り返った。

 それでも、Jリーグ草創期から清水を支えてきた大榎監督の体制はまだ始まったばかり。最後は「大量失点の中、選手は最後まで切れずに戦ってくれた。それが次への救いだった」と結んだ。託されたチーム再建を果たすまで、戦いを続ける。【前田和哉】