ブラジルの名門サンパウロが、わずか1万5000ドル(約173万円)で“怪物”ロナウドを獲得できるチャンスをふいにしていたことが分かった。

 米フォックス・スポーツ(電子版)がブラジルの地元メディアの情報をもとに報じた。

 これはバルセロナやインテルミラノ、Rマドリードなどで活躍し、ブラジル代表FWとしてもW杯で通算15点を挙げた、あの「元祖」ロナウドがまだ16歳だったころの話。

 当時スカウトを務めていたカレフ・ジョアン・フランシスコ・ネト氏が、サンパウロのジョゼ・エドゥアルド・ピメンタ・メズキタ会長に獲得を勧めるレターを出したものの、簡単に却下されたのだという。

 ブラジルの地元メディアはそのレターを入手。そこには「私はまだ17歳にもなっていない素晴らしい選手を見つけました。関係者も絶賛するセンターFWです。彼ら(当時ロナウドが所属していたリオデジャネイロのクラブ、サンクリストバン)は1万5000ドルでサンパウロに移籍させたいと言っています。サンパウロが獲得すれば、私と会長とで新会社を設立し、選手の保有権を50%ずつ折半することができます」と記されていた。

 だが、このオファーをメズキタ会長はあっさり却下。自分の知らない子供に173万円を支払うのはリスクがあると考えたのだろうが、のちの怪物をみすみす逃してしまうことになった。

 代わりにロナウドを獲得したのがクルゼイロ。クルゼイロが同FWをオランダ1部PSVへ売却した時に得た移籍金は548万ユーロ(約6億5800万円)だっただけに、サンパウロにとって逃がした魚は大きかった!?

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)